バッハの無伴奏ソナタ1番ト短調
言わずとしれた名曲ですが直筆譜を見ると巷に溢れているモダン譜では気づき得ないことがたくさんあります。
原典版の大家ベーレンライターでさえけっこう改変してます。
直筆譜で練習されてる方は疑問に思う箇所ですがここ
ト短調やのにE!!いやEsの書き間違いでしょう、と言うのは簡単ですが、なんとバッハの奥さまアンナ・マグダレーナ・バッハの写譜にも同じくEなのです!
バッハ夫人の写譜は本当に綺麗でバッハ本人の筆跡と比べてもほとんどわからないほどです。スラーの曲がり方まで同じ。そしてバッハからの信頼も厚く、本人も敬愛していたならばまさか写し間違いはないでしょう、と。それにバッハ本人も一度は目を通して確認したはず。
もう一つ、無伴奏パルティータ2番シャコンヌ
こちらはバッハの直筆がインクが長い年月でかすれたのかただの書き忘れか、
シャコンヌ前半のアルペジオですがベースがA、A、G、Aとなっています。このとおり弾いても面白いですが、前後のAの位置をみるとどちらかというとB,A,G,Aなのではないか?と思います。そのほうが弾いていても違和感はないし。そこでこちら、
バッハ夫人の写譜ではなおっていました。市販されているモダン譜ではもちろんB,A,G,Aになっています。
夫人がバッハに「ここ音これであってんのー?」「ちゃうわ、なおしといてー」という会話がなされたのかも?と思うだけでも直筆譜はおもしろいですね。
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